リハビリテーション分野
温熱療法、各種療法による運動能力や骨格筋の血流改善らの評価
局所筋肉組織の酸素飽和度測定により負荷による筋肉疲労や代謝機能が評価できます。
運動機能の変化は筋肉の血流の変化と相関があり血流改善はrSO2やHbIの上昇で評価可能です。
センサーは防水構造になっているので入浴中の部位でもモニター可能です。
※脳血流と運動機能回復の関係についても研究が行われています。
血管外科外来での検査
歩行障害の間歇破行が脊髄性破行のスクリーニング、末梢血液循環状態評価、手術後の効果、容態の評価。
両足の脹脛にセンサーを装着しトレッドミルや歩行負荷を掛けて痛みを訴えた時点のrSO2をモニターすれば
破行なら酸素飽和度が大きく低下しているが、脊髄性では骨で神経を圧迫して痛むのでrSO2は下がらないの
でそれらの区別を容易に行うことができます。
下肢血行再建術前後の状態を負荷停止後のリカバリータイムをモニターして評価します。
術前より術後のリカバリータイムが早くなってrSO2の低下の程度が減少していれば血流が改善されたと評価で
きます。
神経内科、精神科外来での脳血流の検査
外来時にrSO2とHbIの検査を行い、患者のようたいとそれらの値により投薬や処置の評価が可能です。
うつ病の患者は前額部の血流が低下していると言われています。
精神内科外来での脳高次機能毛印さにも使用されています。
※使われる前頭葉部分の血流が増加するので投薬や処置前後の測定でその評価が可能です。
症状改善と脳血流増加によるrSO2とHbIの増加で投薬治療効果の評価が可能です。
脳神経外科外来、脳ドックらの検査分野での末梢脳血流テスト、評価ら
検査により手術適応や循環状態及び末梢循環状態の影響などの評価。
バルーン閉鎖試験、内頸動脈一時遮断テスト、起立テスト、過呼吸テストによる血管反応性、頸動脈狭窄らの
脳循環異常の発見評価、血管撮影でのバルーンマタステスト、CEA(頸動脈血管内膜剥離術)術前の脳末梢
血流の評価や術式の選定酸素飽和度が低下すればその血管領域にテストの影響があったと評価します。
集中治療室での脳血流の長期モニター
投薬や処置による血液循環状態のモニターと評価、線溶療法中のモニター。
心臓外科、脳神経外科の術後管理、低体温療法、頭部外傷、重傷脳障害、術後脳障害の防止のため、連続
モニターを行い、充血、血管攣縮や低酸素状態の防止発見に使用可能です。
特に、脳低体温療法の場合は3週間程度の連続モニターが必要になり、本装置以外のもにでは近赤外線の
エネルギーにより低温やけどが生じる恐れがあります。
救命救急センター
来院時の脳酸素状態の評価や緊急手術中、術後の脳末梢血流管理、評価ら。
心肺蘇生中の脳末梢血流酸素化の評価、重傷頭部外傷処置後の脳末梢循環管理、くも膜下出血処置後の
血管攣縮の予防管理、脳梗塞処置後の末梢循環管理、心筋梗塞処置後の脳末梢循環管理など脳蘇生や脳
保護を目的とした末梢血液循環モニターや管理に使用可能です。
その他の外科手術
センサーを目的の血管支配領域に位置してモニターすることにより末梢循環動態が評価可能です。
重症虚血肢術中下肢血行動態モニターとして、脹脛筋や足底で術前術中術後のモニターを行い血管再建術
前後の末梢循環動態の管理評価が可能です。
甲状線右葉切除術、歯科領域での静脈結紮、頸部周りの手術中の脳内酸素飽和度測定による脳末梢循環
の管理に有効です。
脳神経外科の手術
脳保護を目的とする脳末梢血液循環の管理:
内頸動脈内膜剥離術、腫瘍摘出術、血管内血栓溶解術、中枢神経手術、各種バイパスらでは術前術後の
脳血流を監視する必要があります。本装置はセンサー面積の関係で術野そのものの血流情報を得るのは困難
ですが内頸動脈内膜剥離術では患部と同側の前額部にセンサーを位置して側副血行路の有無の判定、術後
の血行改善を直接的にモニターすることが可能です。
その他、術後の充血、贅沢環流、脳浮腫のモニターにも有効です。
小児心臓手術(先天性心臓奇形、肺動脈奇形ら)や新生児、未熟児のECMO(体外肺補助循環)中
の脳血液循環管理
脳保護を目的とする脳末梢血液循環、補助循環の管理:
新生児小児はわずかの体位変換や頸部捻転で脳血流に障害が生じます。
本装置の新生児用のセンサーは柔らかいので小さい頭でも容易に固定できます。
また、使用する近赤外線エネルギーは微少なので長期にわたるモニターが可能です。
心臓血管外科分野の手術
脳保護を目的とする脳血液循環の管理:
脳内血液の管理と監視、PCPS(経皮的心肺補助法の循環状態管理)
心臓手術後、頭(脳機能)に後遺症がでる例が約1割くらいあると言われています。
適応分野は胸部大動脈置換、弓部置換、胸部下行大動脈置換、冠動脈バイパス、血管再建術、僧帽弁置換、
大動脈弁置換、三尖弁置換、循環停止、を伴う胸部大動脈人工血管置換術中の低環流による術後脳機能障
害の防止、体外循環復温時の環流不足による脳障害防止、脳分離体外環流中の周術期における脳神経合併
症の危険発見と予防、人工血管置換術における再建分枝のグラフトの屈曲が原因の術後脳合併症の予防(手
術で再建に成功しても縫合途中等で屈曲して血流不足になり障害となる)等での脳血液循環監視等の適用例
があります。
開心術では人工心肺を使用します。このケースではカニュレーションや離脱するとき問題が発生します。
ポンプ中でも”脳に血液が行っているはず”でも実際は(送血管が曲がったり押さえられたりして)血液が不足し
ている(低環流)場合が起きます。
このような場合にポンプ側、麻酔医、外科医がrSO2とHbIらの情報からこれらの異常を判断して事故なく安全に
対処することが可能になります。
手術中に血栓などが血液にのって飛び脳血管に詰まるような場合、完全ではありませんが本装置のセンサーを
前額部位置してrSO2とHbIをモニターして、低環流や突然の脳血流変化のモニターが可能ですから直ちに適切
な対処がとれます。
麻酔管理分野
脳保護を目的とする脳血液循環の管理:
体位変換、頸部捻転圧迫、頭蓋内圧亢進や血圧低下による周術期脳障害の防止。
全身麻酔下では交感神経反射が抑制され脳内の血液量が有意に増加します。
麻酔中はオートレギュレーション機能が崩れるので麻酔導入直前のrSO2の値とHbIの値を基準とすること
により、麻酔開始から覚醒までの換気、血圧管理、脳血流を安全に維持管理することができます。
静脈麻酔薬と吸入麻酔薬では薬品により脳血流に対する影響が異なり、麻酔導入後、酸素飽和度が暫減して
低酸素状態に近ずくことがありますがrSO2とHbI(OxiHbあるいはDeOxiHb)を監視し、炭酸ガス、血圧、脈拍、
換気の条件を制御することにより酸素需要のバランスを正しく維持できます。
患者の生理機能管理不適切で血圧の乱れを引き起こしたり、過換気、換気換気不足、低血圧等で長時間低酸
素状態になると術後後遺症を残す恐れがあります。
Tips!!
モニターを行うときに注意すべきことはHbI値が変化率なのでモニター開始時点は常に1あるいは1付近の値が
表示されることです。
値が1より大きくなるとモニター開始時点よりモニター部位の血液濃度が濃くなったことを意味し、1よりも小さくな
ればモニター開始時点の血液濃度より薄くなったことを意味します。
HbI値は(DeOxiHb+OxiHb)ですから血液ボリューム(CBV)として観察することができます。
モニター部位への酸素供給が変化してもrSO2が変化しない場合があるます。これはモニター部位の酸素デマン
ドを満たす範囲の酸素供給変化であることを示しています。酸素供給の厳密に観察したい場合はrSO2とOxiHb
濃度指数を観察することをお勧めします。
DeOxiHb濃度指数を観察するとモニター部位の代謝情報を直接的に得ることができます。
rSO2とOxiHb濃度指数及びDeOxiHb濃度指数を同時に観察すればモニター部位への酸素供給と酸素消費の
バランスをより正確に観察できます。
装置のモニターにOxiHbとDeOxiHb濃度指数を、内臓プリンターにrSO2とHbIをプリントさせることで4種類の情
報をモニターすることができます。
臨床応用:
TOS96はセンサー直下に存在する毛細血管中のOxiHbとDeOxiHbの濃度から酸素飽和度を計算します。
情報としてはrSO2、HbI(ヘモグロビンインデックス:血液濃度指数)、OxiHb濃度指数及びDeOxiHb濃度指数
提供します。
これらの情報を適宜組み合わせることでモニター部位の代謝情報や血液情報を得ることができます。
麻酔科、心臓外科、血管外科、胸部外科、小児科、整形外科、形成外科、脳神経外科、脳ドック、精神科
心療内科、救命救急センター、手術室、集中治療室、NICU、CCU、リハビリテーション、健康科学、スポーツ医学
等で使用されています。
モニターの目的は患者の脳保護を目的とした血液循環管理、末梢血液循環治療評価と術後管理、投薬や処置
結果のモニターや評価、脳や末梢血液循環の検査や負荷試験等で使用されています。
以下で分野別の使用概略を説明します。